MAGAZINEマガジン

連載

本日の一本

音楽とアートの融合〜音と共にジャケを買う価値をソウゾウしたクリエイティブ集団...『ヒプノシス レコードジャケットの美学』

hipgnosis_main_image_アイキャッチ用.jpg

*TAO LABより
1964年のある日、デビュー前のピンク・フロイドがケンブリッジのアパートに屯し、酒とドラッグに興じていた。その最中に突然のガサ入れ。全員逃げた部屋にはふたりの若者が残った。「俺は逃げ出す男じゃない」と豪語するストーム・トーガソンとオーブリー・ポー・パウエルだ。運命的に出会った彼らは固い絆で結ばれた。
1968年、泉の如くアイデアが湧くストームと撮影センス抜群のポーがデザイン事務所を開く。程なくロジャー・ウォーターズが「ジャケットを作ってみないか」と声を掛ける。ピンク・フロイドのセカンド「神秘」(1968)のスリーブを作るチャンスが訪れたのだ。デザインソフトがない時代、バンドの音楽性にフィットするイメージを手作業でコラージュした斬新なデザインには"ドクターストレンジ"の姿も...

ヒプノシスは1968年に始動したクリエイティヴ集団である。史上空前のベストセラー、ピンク・フロイドの「狂気」(1973)では黒背景のプリズム、アーサー・C・クラークとスタンリー・キューブリックのモノリスにインスパイアされたレッド・ツェッペリンの「プレゼンス」(1976)、バーに居合わせた6人からの6種のジャケットを袋に入れた最後のオリジナル盤「イン・スルー・ジ・アウト・ドア」(1979)、ピーター・ガブリエル、イエスからポール・マッカートニー、10CC、オリビア・ニュートン・ジョンに至るまで、実に372枚ものレコードジャケットを手がけました。その中には松任谷由実「昨晩お会いしましょう」「VOYAGER」も。

74年、ピーター・クリストファーソンを迎えたチームは破竹の勢いで仕事を続ける。劇中でリフレインされる「Shine On You Crazy Diamond」収録アルバム「炎~あなたがここにいてほしい」(1975)では、ワーナー・ブラザースのスタジオでスタントマンに火をつけて撮影を断行。CGが黎明期だったからこそ生まれた伝説の荒技だ。だが、幸福なる創作の日々は永遠には続かない。1981年にMTVが開局、82年にはCD発売へとデジタル化の波が押し寄せ、写真は映像へとシフトし、彼らの活躍の場は狭められていった...1983年、解散。

『ヒプノシス レコードジャケットの美学』

ストーム・トーガソンとオーブリー・パウエルが率いたイギリスのデザインアート集団「ヒプノシス」にフォーカスしたドキュメンタリー。ピンク・フロイド、ジェネシス、レッド・ツェッペリン、ポール・マッカートニーら数々のバンドやアーティストのアルバムカバーアートを手掛けた彼らが、その創作の裏側を語る。監督は『ディーン、君がいた瞬間(とき)』などのアントン・コービン。デヴィッド・ギルモア、ジミー・ペイジ、ピーター・ガブリエル、ノエル・ギャラガーらが登場する。

ヒプノシスの名は、若き日のストームとポーとルームシェアしていたシド・バレットが、部屋の扉に残した落書き「Hip-Gnosis」に由来するとのこと。

「スウィンギング・ロンドン」〜ファッションのミニスカート、音楽のビートルズとともにサイケデリックアートとは一線を期すデザインを彼らはソウゾウした。
このドキュメントは観に行かねば〜〜〜

4xNca5a.jpg

NEXT

PAGE TOP