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本日の一枚

祝〜停戦〜祝 このタイミングでご紹介 パレスチナ人初のジャズ・ピアニスト "ファラジュ・スレイマン" の最新作。


2025年1月19日
パレスチナ・ガザ地区での戦闘をめぐり、イスラエルとイスラム組織ハマスの停戦合意が現地時間19日午前11時15分(日本時間午後6時15分)に発効した。ハマスによる人質解放とイスラエルによる収監者釈放を交換条件に、停戦は3段階で進められる予定。

*TAO LABより
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ファラジュ・スレイマン(Faraj Suleiman, アラビア語:فرج سليمان)
1984年、パレスチナ北部のラマ村で生まれた。
3歳からピアノを始めてはいるものの、両親は父がおもちゃ商人、母が花屋という音楽的な環境ではなかった。唯一母方の叔父がヴァイオリンでアラビア音楽を演奏する人物であったため、幼少期はこの叔父の傍で多くの時を過ごした。
少年期は故郷の町で同世代のほかの少年たちと同じようにサッカーをして過ごした彼だったが、青年期の終わりに再び音楽に傾倒。そしてイスラエルの音楽教師アリー・シャピラ(Arie Shapira, 1943 - 2015)と決定的な出会いを果たし、音楽のみならずイスラエル人とパレスチナ人の間に横たわる様々な問題も議論する仲に。パレスチナでは周囲にロールモデルのない中で、ジャズ・ピアニストへの道を志すようになった...

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アラブの大衆音楽、ジャズ、ロックに強く影響を受けたほとんどが歌曲のこの作品。
アルバム全編で歌詞を書いているのはパレスチナ出身の詩人/俳優のアメル・フレヘル(Amer Hlehel)。パレスチナ独立劇団シベルハール(アラビア語で「自由の広がり」 )を設立した人物であり、現代パレスチナ演劇文学の主要な作家である。
当初の想定では「複雑な国を愛し、憧れ、夢を抱く少女マリアムについて語る」アルバムになるはずだった。収録楽曲はガザでの戦争前に書かれ始めたが、残りの多くは戦争中に書かれた。
結果、「戦争が私たちの生活にもたらした全てのことと同様に、世界はひっくり返り、物語は歪められ、感情は喪失感、無力感、死の間で散乱し、このアルバムは真っ黒に染まってしまった...」とのこと。
『Maryam』:Faraj Suleiman

本作がリリースされた2025年1月17日には、2023年10月7日の事件をきっかけに始まったイスラエルとガザのイスラム組織ハマスとの間での戦争の停戦合意が報じられたました。

〜音楽と平和...その共鳴、素晴らしい!


Counting two lives


Packed Love

時々、ふとそんな気がする
僕らは二人で家にいる
すべてが整い、愛は瓶詰め、
まるで二羽の小鳥のように

絨毯の上には溢れる静けさ
冷蔵庫には安らぎ
壁に残る料理の香り
私たちは二つの命を数える

幸せと愛 愛と幸せ
すべてが美しく 溢れんばかり
幸せで 愛し合って
愛に夢中


Bye Bye Love
一人きりで映画を2本観る
眠気を覚まそうと
一人バーに座ってボーッとする
そして朝一番に家に帰る

両手で私たちの夢を壊す
壁に新しい色を塗る
君の絵の展覧会をなくして
代わりに叔母や伯母の絵を描く

私はまた孤独に戻った
スーパーマリオが目の前でジャンプしている
誰も気にしない 自由に生きていく
楽しく歌おう
さようなら、愛よ


Fragments of Memory


Remnant of Soul

全曲はこちらで

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