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HOLY LIGHT

渋川八幡宮 宮司 小野善一郎『大祓詞』...拝礼させていただきます...

*TAO LABより

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小野善一郎さま
ご縁ありがとうございました。
ご帰幽の報に接し心からお悔やみ申し上げますとともに、御霊の安らかに鎮まり給うことをお祈り申し上げます。


「祓って祓って祓って、まっすぐで清々しい道を歩いて参りましょう」

ハイ!了解です。


*神式のお葬式「遷霊祭」
神道は、日本に仏教が伝来するずっと昔から日本に根付いてきた宗教ではなく日本独自の「道」です。
唯一無二の神を敬い、ただ一つの教えを守る仏教やキリスト教と違い、特定の神はいません。自然の万物に神がいると考える「八百万(やおよろず)の神」、つまり多神教が神道の考え方です。
山の神、海の神、風の神など自然を司る神から、作物の神、商売の神、学問の神、縁結びの神など、生活に関わる神まで様々の神がいると考えられています。
神道は日本人が自然と共に生きて来た歴史を大きく反映しており、自然に対する畏敬の念を神化させたものと言えるでしょう。

そのため「教え」と言うものは存在せず、仏教の「経典」やキリスト教の「聖書」などにあたるものはありません。全国各地で語り継がれてきた「神話」が神の存在を示すものであると言えます。
日本人は太古の昔から、豊作なら畑の神に感謝し、大漁なら海の神に感謝し、商売が繁盛すれば商売の神に感謝し、来年の恵みを祈って様々な祭りを行ってきたのです。

しかし西暦500年頃に中国から伝来した仏教が広まり、江戸時代に檀家制度が作られて一般的な宗教として信仰されるようになってからは、今では神式のお葬式はすっかり少数派となってしまいました。
宗派によって違いがあるものの、仏教では死者は三途の川を渡って冥途に向かうとされています。そこで十王による四十九日間に渡る裁きを受け、四十九日が明けるとようやく来世の行き先が決まると考えられており、全ての法要はこの教えによって営まれています。

これに対して、神式では死者は全てが神になると考えられています。
死者の魂は肉体を出て家の守護神となり、遺族が死者を守護神として家に迎え入れる儀式が神式のお葬式という事になります。
神道には日本人の先祖崇拝の考え方も色濃く反映されているため、「先祖代々の霊」が守護神となってその家を守ってくれると考え、先祖の霊を大切にするのです。
神式のお葬式では「遷霊祭」と言って故人の霊を遺体から霊璽(れいじ・仏教でいう位牌のようなもの)に移し、家の守り神として祀る儀式を行います。

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