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本日の一本
未来映画社=安田淳一監督、天晴れ!〜2014『拳銃と目玉焼』2017『ごはん』そして2023『侍タイムスリッパー』、最高かと!!絶対に観てね!!!!
*TAO LABより
『映画「侍タイムスリッパー」は、「拳銃と目玉焼」(2014年)「ごはん」(2017年)に続く未来映画社の劇場映画第三弾である。
幕末の侍があろうことか時代劇撮影所にタイムスリップ、「斬られ役」として第二の人生に奮闘する姿を描く。
コメディでありながら人間ドラマ、そして手に汗握るチャンバラ活劇でもある。
「自主映画で時代劇を撮る」と言う無謀。
コロナ下、資金集めもままならず諦めかけた監督に、「脚本がオモロいから、なんとかしてやりたい」と救いの手を差し伸べたのは他ならぬ東映京都撮影所だった。
10名たらずの自主映画のロケ隊が時代劇の本家、東映京都で撮影を敢行する前代未聞の事態。
半年に及ぶすったもんだの製作期間を経てなんとか映画は完成。
2023年10月京都国際映画祭で初披露された際、客席からの大きな笑い声、
エンドロールでの自然発生的な万雷の拍手に関係者は胸を撫でおろしたのであった。
初号完成時の監督の銀行預貯金は7000円と少し。「地獄を見た」と語った...』
そりゃそうでしょ!
カリユガの時代...「仕事」はどうやって誤魔化し、手を抜くのが「仕事」笑〜「道楽」はトコトンこだわり、絶対に手を抜かず、時間も金もかける!という己に課した「道」。
ホモルーデンス=遊ぶヒトだからこその生きる糧〜カタチは違えど「道楽道」歩み続けてる35年の経験から、監督の「地獄を見た」には大いに共鳴いたします。
でも、「道楽」だから、止められない、止まらない...「地獄」を体験するのはその道を歩み続けてると現れるプロセス=お試し〜お前はさらに命かけてもこの信じる「道楽道」歩むのかという。
この映画の、このタイミングでの拡大公開〜象徴的だと思うのは「日高国=東」「日向国=西」の戦いを隠し味で描いているコトだ。
幕末、東=会津⇔西=薩長の戦いは結果、またしても西が東を凌駕した〜で、当初の志とは違い、西洋文化を大々的に取り入れた...そして、先の初めての体験である敗戦、さらにその敗戦から来年は80年を迎える...
この映画のラスト近くの台詞...グッ〜とシビれちゃいますよ!
「神の詩」と「和の精神性」の融合、たまりません。「日本=二本」ならではの「今」こその結末...天晴れな作品です!ぜひ、劇場に足を運んでください。
安田淳一さん
監督・脚本・撮影・照明・編集・デザイン・衣装等々独りで11役以上をこなしてこの作品を創った
1967年京都生まれ。
大学卒業後、様々な仕事を経てビデオ撮影業を始める。
幼稚園の発表会からブライダル撮影、企業用ビデオ、イベントの仕事では演出、セットデザイン、マルチカム収録・中継をこなす。
業務用ビデオカメラ6台を始め、シネカメラ5台、照明機材、ドリー、クレーン、スイッチャー、インカム他を保有。
2023年、父の逝去により実家の米作り農家を継ぐ。
多すぎる田んぼ、慣れない稲作に時間を取られ映像制作業もままならず、安すぎる米価に赤字にあえぐひっ迫した状況。
「映画がヒットしなければ米作りが続けられない」と涙目で崖っぷちの心境を語る。
「道楽道」は「地獄」みますが、「極楽」に往く王道かと〜:)