MAGAZINEマガジン

連載

本日の一本

『SHOGUN 将軍』 "困難ないまの時代だからこそ、戦乱の世に不屈の精神で平和な世を築こうとした虎永のような人物像が求められているのではないかと感じた" -真田広之 談-

shogun_ssxx.jpg

*TAO LABより
2024年2月からディズニープラスにて世界公開されている『将軍 SHŌGUN』は、ジェームズ・クラベルの小説『将軍』(Shōgun)を原作として、1980年にアメリカ合衆国・NBCで制作・放送されたテレビドラマのリメイク版。
今回の作品は全10話。

物語の舞台は1600年代、天下分け目の戦い前夜の日本。戦国最強の武将・吉井虎長に敵の包囲網が迫るなか、彼の窮地を救う秘密を持ったイギリス人航海士ジョン・ブラックソーン(後の按針)が虎長の領地へ漂着。虎長は、英語を話しキリスト教を信仰する鞠子に按針の通訳を命じ、2人の間には絆が生まれ始める。果たして虎長は、按針と共にこの乱世を制することができるのか...


侍スピリット篇

真田さんは2003年、映画『ラスト サムライ』でハリウッドに進出して、トム・クルーズらと共演した。大ヒットとなったが、所作や着付けの仕方などハリウッドの日本の描き方は、多くの日本人が疑問を持った...以来、世界に影響を及ぼすハリウッド製であっても、日本の文化や精神を正確に伝える「本物のサムライ作品」を目指していたという。
20年余りの時を経て...海外ロケ地に時代劇のクルーを日本から呼び寄せ、日本人役はすべて日本人というこだわりの作品に仕上がった。海外が初めてというクルーも多く、時代劇のプロらが言葉やコミュニケーション、文化の壁を乗り越えて、日米初の壮大な協力体制でできた作品といえる。

「作品は東西チームワークの賜物。その思い入れを感じ取ってもらいたい」と真田さん。
「日本で学んできたこと、『ラスト サムライ』以来、思ってきたことをすべて注ぎ込んだ。異文化の映画を作るときは、本物を作らなければいけない。金儲けだけが目的ではない、すべてが本物で、カメラの前にあるものはすべてが本質的なものでなければならない、という気持ちを込めた」とも。

USA Today
「数エピソードを見た後には、近くの図書館に行って日本史を調べたくなるだろう。全10話を観終えたら、さらにもっと求めたくなるはずだ。」

やはり作品はその国のオリジナルの言語で観たいと個人的には思っています。日本のアニメ好きの海外の友人にも吹き替えではなく字幕勧めております。

The Guardian
「もしも全編英語で製作されていたら、物語の知性と力が損なわれていたであろうことは、想像に難くない。この偉大なドラマは、自らの落ち着いた話運びを信頼している。そのため、見栄えも良く、自身に溢れ、夢中にさせられるテレビドラマに仕上がっている。」

この作品もハリウッド映画とは云え、登場人物の大半が日本人なので、劇中のセリフのほとんどは日本語です。つまり、真田広之やアンナ・サワイ、浅野忠信、西岡德馬らの日本語の演技が、生のまま世界中の観客に届けられています〜ぜひ、日本語字幕バージョンで観てくれたら〜と思います。
意味はわからずとも言語そのものがその国の精神性や思考性に通じています。その言葉の持つ響きやリズムを聴き、感じること〜「多様性」を認め、また、その違いを楽しむことの出来る素養を養うことに繋がるかと。

以前にお伝えした「沈黙の艦隊」とともにこのようなある意味日本らしい日本ならではの作品を世界がどのように理解するか?
お楽しみは続きますね!


640.jpg
吉井虎永= モデル 徳川家康

640-2.jpg
サムライの称号を得た最初の外国人
按針=モデル 三浦按針(ウィリアム・アダムス)

418f1bf4-fdd5-4b36-9314-c49288c6224e.jpg
戸田鞠子=モデル 細川ガラシャ

NEXT

PAGE TOP