MAGAZINEマガジン
本日の一本
映画『熱海ブルース』 by ドナルド・リチー
熱海の旅館で、ふと出会った男女の物語...16ミリモノクロフィルム、セリフなし、アンニュイなジャズサウンドの三つで味付けし、それにコミカル味を少々加えた短編ラブストーリー。
監督・編集:ドナルド・リチー
太平洋戦争後に、進駐軍として日本に。その時に、川端康成、早坂文雄などの文化人と交流が始まりました。アメリカ帰国後は、大学で日本の研究をはじめ1954年に再び来日。黒澤明、溝口健二、小津安二郎等日本の巨匠たちを海外に紹介しました。
日本映画文化を世界に広めた彼は、映画作家としての一面もありました。寺山修司、武満徹などとも交流があり、アバンギャルドな映像作品を残しています。この『熱海ブルース』も、またその一つです。
この映画は1962年に2日間で撮影され、1967年に再編集して完成しています。当初は40分だったが、再編集により20分に短縮されました。
「この映画は熱海の歓楽街で2日間で撮影された。当時私の妻だったマリー・エヴァンスがつくった、行きずりの恋についての簡単な話がきっかけとなり、相手の青年よりも、女性についての映画となるように深化させていった」(D・リチー談)
制作:1962年 時間:20分
出演:和田知恵子、鈴木友輔
脚本:マリー・エヴァンス
撮影:ヒラノヒデトシ
音楽:武満徹
ピアノ:八木正生
『熱海ブルース』
二〇分の作品全編観れます。
*TAO LABより
熱海生まれの私は1962年撮影当時、まだ赤ん坊...でも懐かしい故郷の景色と気配が記録されており、タイトルとともに郷愁誘われる特別な一本です。
故郷熱海、昭和30年代、当時は新婚旅行のメッカ。その昔は東京の奥座敷。
色街花街、ヤクザと宗教の町〜聖と俗が混じり合った東洋のナポリで私は魚屋の倅としてここで生まれ、家の地下はお座敷ストリップ劇場、そんな環境下で小学校まで地元で学びました。
熱海...というネーミングと漢字の組み合わせ、たまらなく好きです。
名付けた人は誰で何時なんだろう〜〜〜座布団一〇〇枚はあげたい!