MAGAZINEマガジン
本日のたべもの
超硬派と超軟派なお気に入りの『お豆富』
*TAO LABより
20数年前、21世紀が始まる年明け早々から「豆富」、そして特に 「湯葉 」を研究したくて一年間ほど 伊豆で唯一湯葉も造っている 豆富屋「若木屋」さんで有り難いことに特別に働かせていただきました。
修善寺では湯葉造りに従事、プロフェッショナルなオバサン二人と当時アフガニスタンから移民として日本に亡命してきた若者、主に4人でこちらを担当。
浅い縦長の木枠でサイズを区切った流しに豆乳を流し込み、煮ます。それによりたんぱく質が表面に膜を張ります。子どもの頃の脱脂粉乳の給食を思い出します:)
それをつまんだモノが生湯葉「引き上げゆば」「汲み上げゆば」、膜を四角のまんまシート状に半分以上乾かしたモノが「平ゆば」...サウナのような環境の中で冬は最高ですが、夏は大汗かきながらそれはそれは貴重な経験をさせていただきました。
また、そこは伊豆を拠点とするアオキという高級スーパー内にも製造しながら販売する小さな店舗を出しており、アオキの函南と御殿場でも働かせてもらいました。
函南は豆乳造るところから〜前日水に浸けていた大豆を潰し、鍋で煮込みます。これ、焦がさぬよう...集中です。すべて手作りの昔ながらのここだけのスペシャル「寄せ豆腐」が売り、御殿場は一番小さな規模での機械化された工房〜それぞれ造る工程規模が違うので有意義な体験ができました。
で、月日は流れ...これ〜アオキで見つけたお豆富。「木綿」を越え、「島豆富」のように超固くて、定番のお気に入りの一つです。
で、こちら〜最近、ドンキーで見つけたお豆富。「絹」を越え、上記造っていた「寄せ豆腐」と同じ、超なめらかで今のお気に入りの1つです。
*閑話休題=話は変わって
この修行は職人になるためではなく、日本ならではの食文化+素材としての実地研究〜特にその頃、世界ですでに広がり認知されていたヘルシー食品のひとつ「豆富」とは違い、余り知られてない「湯葉」というモノをなんらかのカタチで海外、特にヨーロッパ+アメリカにあらためて紹介出来ないかと想った次第です。
この実地研究から既存の湯葉屋さんですら気づいていない(固定概念に縛られていない、プロじゃないからこそ気づくこと、ありますよね〜)大発見をいたしました〜これ、凄いです!!!
その頃はその素材も使った植物性のポップでヘルシーな「丼や」を西洋で出来ないかと妄想しておりました。
「いただきます」を世界語にするというコンセプト(日本語脳ならではのコトダマ)ととともに店名とデザインや内装空間がまずは最初に浮かびました〜インパクトあるイカした店名+企画だと今でも自負しております。
その翌年、2002年より本格的に日本とハワイ島ヒロでの交互の生活とが始まります。とともにあらためて世界の食文化と食生活を実地研究するために諸外国を回り始めました。
数年後、ライフスタイルプロデューサー浜野安宏さんの紹介でワタミ渡邉美樹さんがその「100%植物性の丼や」に興味を持ち、世界漫食文化体験から造られた具体的に完成した「和」ベースのコスモポリタンメニューを試食。大いに驚嘆感動してくれ、その後、可能性を皆で追っかけました。
これに関しては残念ながら結果、実現しませんでしたが、、、やはり、美樹さんとは食に対する理念が違います。でも経営者として、また当時海外での事業も積極的に行っていましたから、そのビジネスのハード=資金と人材マネージメントを担当していただけたらと思っておりました。
この「丼や」とその後福岡でカタチにした試み「ManaBurgers」と「ラーメン屋」の3つの企画〜日本で行うのではなく、これからでもまずはアジア圏や中東、南米も含め、日本発ヘルシービジネスの種として可能性あるのではないかと思っています。
で、結果、それを逆輸入したら傑作!かと。
10年渡る無謀だけど遣り甲斐のある実践を経て...自分はチーム制=食から離れ、ひとりで出来るプロジェクト制=出版にシフトしてます。自分にとっては食も本も手段であり、目的=MISSIONは変わりませんが、もしそんな志と夢を持つ経営者の方がいたら一緒に「人が良くなる食」ソウゾウしてみたいなぁと想ってはいます。