MAGAZINEマガジン
本日の一本
幻のカルトアニメ『ヤスジのポルノラマ やっちまえ!!』
*TAO LABより
"アサ〜" "鼻血ブー" "オラオラ" "おんどりゃ〜" 大好物でした。
昭和45年1970年、講談社の『週刊少年マガジン』に連載された『ヤスジのメッタメタガキ道講座』。当時、小学校の5年生、一発でハマりました〜:)
昭和43年『ハレンチ学園』→ 昭和45年『ヤスジのメッタメタガキ道講座』→ 昭和49年『がきデカ』... 赤塚不二夫さん筆頭に日本の王道ギャグマンガ(諸外国に比べたら、それすらもある意味シュールではありますが 笑)で育ちましたが、この三本、異端にして強力、昭和元禄ならではの表現+イカレ具合:)、PTAでは問題視されましたが、だからこそ、子供時代に受けたその影響、計り知れないかと。
浮世絵時代から漫画へ。日本の風土+日本語脳から生まれる日常のART、恐るべし!!!
谷岡ヤスジさん、子供向けと共に青年雑誌で描かれていた...絵のタッチは笑っちゃうんですが、エロい内容の漫画、これまた刺激的で...連載ではなく、単行本、おませではありますが:)多数手に入れていました。小学校高学年から思春期にかけ「青い性」大いに刺激されました。
今回紹介するのはそちらの一連の漫画をアニメーション化したカルト的笑っちゃうエロい作品。
『ヤスジのポルノラマ やっちまえ!!』
昭和を代表するナンセンスギャグ漫画の巨匠・谷岡ヤスジの諸作品を原作にした大作アダルトアニメ。
前に紹介した手塚治虫さんのアニメラマ3部作の流れで生まれた異色の〜なんでこれなの?という、個人的には嬉しいですが...作品です。
日テレ版ドラえもんと共通する制作スタッフが多数参加しているのですが(それもなんで?と思います 笑)、主人公が切腹するラストシーンを含むいくつもの箇所に映倫の検閲が入り、内容もカオス過ぎたため一週間で上映が打ち切られたという伝説が...
現在まで当時の制作資料やスタッフの証言が全く出てこないため、日テレ版ドラえもん以上に情報が乏しい幻の作品とされてきたが、劇場公開48年後の2019年10月2日に奇跡的に初ソフト化されたました、これを鑑賞した次第。
あらすじ
独身男のプス夫は就職先の自動車メーカーの同僚であるユキ子と晴れて結婚。ホテルで結婚初夜にまで漕ぎ着けたが、ついプス夫が目を離した隙にユキ子は窓から飛び込んできたムジ鳥に犯され、変な子供ムジ夫を産む。数年後、結婚生活も倦怠期を迎えたある日、ムジ夫にそそのかされたプス夫のオヤジは妻のユキ子を寝取って腹上死し、これに怒り狂ったプス夫はユキ子を日本刀で斬殺する。すべてを失い完全に発狂したプス夫は日本刀を振り回しながら夜道を徘徊し、無意識のうちに動物園に辿り着いた。そこでプス夫はメスゴリラと人獣の境界を越えた「至福の交合」を果たし、自らの腹をかっさばいた。薄れ行く意識の中、プス夫の精神は男根型のロケットに乗って宇宙の彼方に飛んでいく。やはり、結婚は諺通り「人生の墓場」だったのだろう。プス夫にとっては......。
この作品、外国の方はどんな感想を抱くのでしょうか?
浮世絵春画の流れを私たち以上に感じるのではないかと推測いたします。
絵の質では無く、そこに流れる日本的なおおらかなエロスを〜
余談ながらこのタイトル〜「やっちまえ!!」はジェリー・ルービンの著作、『DO IT!』から〜彼はアメリカ合衆国のヒッピー左翼主義活動家。ベトナム戦争への反対運動を数多く組織する一方、1967年にはアビー・ホフマンらとともに 青年国際党(Youth International Party, YIP=ヤッピー)を創設する。1968年の民主党大会暴動事件の首謀者として起訴された、いわゆるシカゴ・セブンの一人。ベトナム戦争終結とともに運動を離れた後の80年代以降には、実業家として成功をおさめた。
その『DO IT!』、またホフマンの著作『この本を盗め』の二冊を中学生の頃、神田の古本街でたたき売り:)されているのを見つけ、購入。ネットの無い時代〜自分にとっては探していたお宝本でしたからとても嬉しかったの憶えています。