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本日の一冊
祝102年 1921年8月8日〜『全人教育の歴史と展望』
*TAO LABより
振り返ると自分らしい精神性の構築+生きる上での人生理念に多大な影響を与えてくれた方々が1組+3人います。
もちろん、それ以外にも大変お世話に、また、刺激受けた方も多数いますが、この方々の存在は特別ともいえます。
1組はもちろん、両親です〜物心つくかつかないか、自我が芽生え始めるころの彼らが与えてくれたある環境。その後、10代思春期から〜20代半ば〜30代...と10年を節目に3人の方が現れました。
ひとつひとつあらためて記憶を記録したいと思いますが、10代思春期にわが人生に登場してくれた小原國芳先生〜先生の「全人教育論」以前、紹介しましたが、今回もこちらを。
偶然ですが、本日8月8日は今から102年前の1921(大正10) 年8月1日から8日まで行われていた「八大教育主張講演会」の最終日、当時34歳だった小原國芳先生が登板、「全人教育」という言葉が聴衆の前に提示されたのは、この講演会が初めてでした。
それから8年後に全人教育を教育理念とした「玉川学園」が設立。
全人教育100年を記念して出版されたこの書籍を拝読〜やっぱ、全人教育=小原國芳先生=玉川学園、人生理念の軸の、人間からヒトになるための目標の種を思春期のときにいただいたこと、あらためて...大恩人です。
本年、2023年は全人教育が世に出て1世紀を超えました。上記書籍と共にこちらもぜひ、読んでいただきたい内容です。ホント、小原先生の精神性と行動、シビれちゃいます:)
『 全人教育の歴史と展望 』
小原 芳明 (監修)
下記はすべて「全人教育論」(改定 1994年)より転載
全人教育の主張
『教育の内容には人間文化の全部を盛らねばなりませぬ。故に、教育は絶対に全人教育でなければなりませぬ。全人教育とは完全人格即ち調和ある人格の意味です。その人間文化を欠いただけ人間はそれだけ片寄ってしまうのです。今日、日本の多くの学校は殆ど偏頗ではないでしょうか。あるいは、世界中、そうなのかも知れませぬ。〜中略〜入学試験準備、棒暗記、詰め込み、カンニング、予備校、教育ママ、準備塾、出世病......これらが、マコトの人間を破壊しとるのだと思います』 10P
教育の理想ー六つの文化価値の創造
『人間文化には六方面があると思います。すなわち、学問、道徳、芸術、宗教、身体、生活の六方面。学問の理想は真であり、道徳の理想は善であり、芸術の理想は美であり、宗教の理想は聖であり、身体の理想は健であり、生活の理想は富であります。教育の理想はすなわち、真、善、美、聖、健、富の六つの価値を創造することだと思います。然して、真、善、美、聖の四価値を絶対価値といい、健富の価値を手段価値と申します。』 12P
調和的な成長ーコスモスの花のように
『この6つの文化価値が、秋の庭前に整然と花咲いとるコスモスCosmosの花のように、調和的に成長してほしいのです。コスモス、これを中国の学者は「宇宙」とホンヤクしました。宇は空間、宙は時代。大哲カントも、宇宙は時間空間からなると教えてくれました。そもそも、ギリシャ語のKosmosという言葉は、整美、調和、秩序という意味を持っています。』14P
私の要求する「人」
『要するに、私は人間に六方面を認めます。私の要求する「人」はこの六方面を備えた人間でありたいのです。という意味は一般陶冶とでも云うような生ぬるいものではないのです。また個性を没却したような無味乾燥なものではないのです、人間には真によき教育を施し、神より与えられたる自然をそのまま伸ばし行って、ただ、各自は各自の独特の世界を実現しながら、しかも、そこに各自の完全境が成就されるのではないでしょうか。』 23-24P
ホントの教育
『私は一切の主義主張を撤廃して、ただ「人」に帰りたいのです。「人に帰れ、人に帰れ」。ただ「人の教育」です。そこには自ら否応なしに、ホントの教育が生まれます。「人」それは発しては個人であり、社会人であり、国民であり、人類であり、神の子であり、人の子であり、腕は働くべく、頭は考えるべく、美を慕い、善を行い、しかも体系的秩序を有する一個の大宇宙です。しかも、各自が「天上天下唯我独尊」、唯一無二の、全世界とも代えられない大宇宙なのです。その各宇宙が内的発展完成により各自の天性自然を発揮する時に、何物にも代えられない、竹は竹、松は松、菊は菊、菫は菫という独一無二の美しき完全境を生ずるのです。ジョットーの「一円」を描くことを念願します。
プラトンは調和は善だとしました。ペスタロッチは調和的発達を要求しました。私もただ、ホントの「全人」になることを希います。さて、六方面の一つ一つについては、その意味と必要論といささかの方法とを説きます...』 28-29P
以後、六大価値について一つ一つ説明〜これがまた素晴らしい名文で...続きはぜひ「全人教育論」もしくは「全人教育の歴史と展望」をお読みください。
「全人教育の歴史と展望 」45P 図形転載
いかがでしょうか?
「全人教育」〜主義や主張ではなく、普遍的な素晴らしい偏りのない世界全人類共通の理念の一つかと思いますが...
思春期のときにこの理念に出会い、どうしても玉川学園に入ってみたく、両親にお願いし、その夢を支援、1975年、高校から実現させてもらい、入学と共に明倫塾での寄宿生活が始まりました。
高校一年の正月明け、父が突然肉体を離れ...学校を辞めようと思いました...が、母と小原國芳先生+小原哲朗先生+岡田陽先生始めとする玉川学園の先生たちのお陰で無事高校生活3年間を過ごせることとなりました。
その後、大学入るとき、とても悩み、若気の至りでトホホな出来事も起こしましたが、あらためてそのご恩、なんらかのカタチでお返し差し上げたいと〜いまだに未熟ではありますが、環境と暮らしをテーマにヘルシーな食生活の仕事をしてきたのも、また、現在、出版者として出版活動しているのも、六大価値とともに全人教育から芽生えた想いの具体的な行動です。
で、引き続き、その挑戦+実践に取り組み、今回戴いたこの人生を「お利口小利口でもなく、おばかでもなく、大バカ」で締めくくりたい:)と決心しています。