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本日の一冊
とても無邪気な人々の優しさと共振する音叉のような存在〜福の神になった少年:仙台四郎の物語
*TAO LABより
仙台四郎(せんだいしろう 1855年頃 - 1902年頃)は、江戸時代末期(幕末)から明治時代にかけて、現在の宮城県仙台市に実在した人物。知的障害を持っていた四郎は、常にニコニコと街を徘徊しており、そんな四郎が屈託のない純真な笑顔で、ふらっと店先にあらわれ、四郎を温かく迎え入れたお店は、結果的に繁盛したという言い伝えがあります。
明治時代には、千葉一という人が30歳頃の四郎を福島で撮影した写真を撮り、大正に入る頃、福島より仙台に移り仙台市内で開業したその千葉写真館が「四郎の写真を飾れば商売繁盛のご利益がある」と謳り「明治福の神(仙臺四郎君)」と銘打ってこの写真を絵葉書等に印刷し売り出したそうです。この時から「仙台四郎」と呼ばれるようになり...結果、現在では「福の神」「商売繁盛の神」として祀られているとのこと。
四郎が福の神だった、という解釈も成り立つかもしれません。しかし、単に四郎を拝めば儲かるのか、というと、そういうわけではないと思うのです。
欲目から四郎の袖をひっぱって引き込もうとしたお店には、なぜか四郎は興味を示さなかったそうです。
唯物論に侵され、お金儲けが人生の目的となってしまった今、この写真を買ってきて飾れば御利益が得られると安易に思う姿勢...
仙台四郎さんの存在は?また、彼を快く受け入れ、迎い入れた当時の町の人情とは??
下記の絵本、読んでみてください。
福の神になった少年:仙台四郎の物語
明治の時代に、仙台の町で、みんなにばかにされたり、愛されたりしながら、無邪気に自由に生き抜いた四郎さん。笑いと涙に包まれた四郎さんの人生が、やさしく語りかけてくれるものは...。