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本日の一冊
元毎日新聞論説委員・野沢和弘の三冊
『海へ傾斜した坂に民家が密集してへばりつき、夏でも湯気が排水溝から立ちのぼっている温泉町で私は生まれた。下駄に浴衣の観光客が平日の夕方から自宅近くの路地をぶらついていた。昭和三十〜四十年代といえば高度成長のころであり、地方銀行に勤めていた父親が帰宅するのはいつも深夜だった...』
...野沢和弘:著『あの夜、君が泣いたあと―自閉症の子とともに生きて』 あとがきより
*TAO LABより
海へ傾斜した坂に民家が密集してへばりつき、夏でも湯気が排水溝から立ちのぼっている温泉町で私も生まれた...この著者である彼よりちょい遅れ、となりの町内で。
野沢和弘さん、自分にとっては「和ちゃん」...同じ幼稚園、同じ小学校、そして、同じ中学に通った同級生。彼とはとくに思春期のとき、とても仲良くしてもらった。影響も受けました。高校は別となり、その後、ご無沙汰の時期が続きましたが、いちばん古〜〜〜い友としてふたたびのご縁を紡ぎ始めてます。
1959年、静岡県生まれ。早稲田大学法学部卒業。毎日新聞社入社後、いじめ、ひきこもり、児童虐待、障害者虐待などの報道に取り組む。2007年から夕刊編集部部長、2009年から論説委員。2019年、毎日新聞社退社。2016年に一般社団法人スローコミュニケーションを立ち上げ、知的障害者向けの情報提供に関する調査研究等に取り組む。現 植草学園大学副学長。
和ちゃんとの思い出でとくに強く刻まれていること。
〜子供のころから文章がうまく、熱海の学校全校から選ばれ掲載される「湯けむり」という文集の常連だったこと。
〜15歳のときの正月明け4日...突然、父が死んでしまうかもという事実に押しつぶされ、どうしてよいかわからないとき、彼を訪ね、神社に手を合わせ、祈りに共に来てくれたこと。その晩、父は肉体離れてしまいましたが...
〜小学校のとき、彼が将来新聞記者になりたいと言っていたこと...初心貫徹、凄いなぁ〜天命だったんだなぁ〜とあらためて実感。
上記の本とともにこの二冊も読んでみました。
『わかりやすさの本質』
『スローコミュニケーション わかりやすい文章 わかちあう文化』
プロに失礼ですが:)本文はもちろんのこと、書き出しの掴みと最後の余韻、イカした楽曲のようでおもわず、唸っちゃいます。
ますます、お元気で活躍してくださいね、和ちゃん!
*FM小田原 オダワラ興味sing!sing! 4月ゲスト:野沢和弘さん
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