MAGAZINEマガジン
TRIP*CLIP
2021-04-16+17 南信州阿智村 花桃の里
*TAO LABより
ひとり娘の名前は「たおり」と名付けた。漢字では「桃里」と書く。
1990年9月17日産まれ、今でも珍しいと思うが水中出産でこの世に誕生、水の中から抱き上げた。"プフゥ"という彼女の最初の呼吸の音とそのときの彼女の表情がくっきりと30年を経ても脳裏に刻まれている。
「たお」という響きが当時から今でも好きで、男であれ、女であれ、同じ年に企画運営に参加した飲食店(コスモポリタンフード TAO @千葉 大久保)オープンにつづき、この名前をつけようと最初から思っていた。通常は「タオ」というと老子の「タオ=道」を思い浮かべると思う。"宇宙の神秘と人間の生きるべき大道とは?"という探求にはもちろん共鳴している。でもそれ以上に気に入っているのは「たおやか」という響きと意味を持つ日本語の言霊音霊である「たお」だ。
日本の法律の面白いところは名前に使える漢字は常用漢字表と人名用漢字表に掲載されているものでなくてはならないのだが、その読み方は自由に当てはめることが出来るということ。
「たお」という響きにあう漢字としてまず"音"からあたってみようと思った。今、思うとなぜそこ?と当時の自分に訊ねてみたいがタオ=道という響きを持つ国にまずは聞いてみようと思い、中国大使館に電話してみた。
電話で話を聞いてくれたのは女性だった...彼女は突然のしょうもない私事の問い合わせにありがたいことに丁寧に対応してくれ、タオは「桃」を意味すると教えてくれた。9月は桃の花の時期ではないが、実がまだ取れる時期でもある。日本語では「桃」は"とう"と発音するが、それを中国読みを取り入れ"たお"として使うのも可愛いかなぁと思った、女の子だし。
当初は「桃」一文字で「たお」のつもりだったが、母より連絡が入り、姓名判断で調べたら 「たお」一文字だとフラフラとした人生を送ってしまう...とのこと。母心+祖母心に感謝とともになるほどと思い、「里」という漢字をあて、"いつも此処に有る居る"という願いを込め「桃里=たおり」と名付けた。
長野県南部に人口6000人ほどの阿智村という星空とともに花桃で有名なエリアがあることを知った。
花桃の里=桃里、いつか娘とともにその花が満開のときに訪ねたいと思うようになっていたところ、本年、4月16日+17日にその夢が実現した。例年だと、これくらいの時期は咲き始めのようだが、本年はいつになく暖かく、この時期、8分咲といえるような状態だった。あいにく天気は晴天ではなかったが、霧がかかり、幻想的な景色を楽しめた。
この村にはいくつかの桃の里エリアがあるが、一棟の宿を囲むように桃が咲き誇っている月川温泉郷「野熊の庄 月川」に宿をとった。正解でした、ここ。
この村が桃の里にとなる物語も感動した。
ざっくりお伝えすると、ある個人の方が植えたことから、それが良い意味で伝染し、皆が競うように植え始め、これだけの景観を造ることになったとのこと。
河津桜や熱海のジャガランタもそうですが、行政の力ではなく、まさしく現代の「花咲爺(お婆 含む)」の夢とセンスと実行力の結果というのがシビレますね〜:)
「未来」に喜んでもらえる「今」出来ること。
半径15メートルの平和〜植物を植える、育てること、その具体的なひとつかと。
桃=TAOちゃん、「すこやかに、ほがらかに、そしてたおやかに」...引き続き、お過ごしください、この惑星での「あなたらしい、今」を〜祈ってます。