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「自他一如」〜医の現場から見えること〜 by 岡田恒良
第三十五回『800年前に』
さて今年は2021年ですが、ちょうど800年前の1221年に何が起こっていたか、ご存知でしょうか。
その頃は鎌倉時代初期にあたりますが、まさにその年日本史上最大の事件(山本七平によると)が起きていたのです。
それは承久の乱といい、鎌倉幕府にとって存亡の危機でした。つまり源実朝が暗殺されたのち、京では皇室側が政治の実権を取り戻そうと、兵を挙げたのでした。
当時源氏の将軍は途絶えてしまい、後を任された北条政子はある行動にでました。
即座に檄を飛ばして鎌倉武士の士気を高め皇室側の兵に対抗したのです。
そして美濃尾張の木曽川での戦いに勝利し、京側に味方した武士達を完全に打ちのめしました。
そしてそのあとです。なんと皇族側の首謀者、後鳥羽上皇は隠岐の島に配流となったのです。
それだけではありません。順徳上皇も佐渡島へ、土御門上皇も土佐へ配流という熾烈な沙汰が北条側から下されたのです。
残されたわずか4歳の仲恭天皇も皇位を廃され、後堀河天皇が即位しました。
当時の皇室一網打尽、こんなことをしていいのかというばかりの処分が下されたのです。
800年前に起きたこと、これはつまり西から東への完全なる権力移行、貴族から武家政治へ、和歌の世界から刀剣の世界に大きく移行したということです。
歴史は800年ごとに入れ替わると言います。
800年後の今、これがまた大きく反転するのでしょうか。
つまり、武力の時代は終焉し、共和の時代に移行していくことでしょう。
思えばこの800年間、世界中で暴力国家が権力を持ちました。1200年頃からは、欧州の軍隊がイスラムを徐々に圧倒、ついにはレコンキスタを成し遂げ、勢い余ってスペインとポルトガルはアフリカやアメリカ大陸に進出、つまり大航海時代の始まりです。そのあとはオランダ、イギリスと侵略国家が世界中を植民地にしていきました。
ご存知のように西洋列強が軍事力でアフリカ、アジア、南北アメリカ、オセアニアを圧倒、20世紀には二度も世界大戦を引き起こし、1億人もが死んだと言われています。
800年続いたこの悪夢も近年少しずつ状況が変化していますね。まずは20世紀に末に共産国ソ連の崩壊が起き、資本主義国家の代表のアメリカ合衆国が天下をとったのもつかの間、今年あたりからアメリカも内部崩壊が始まっています。
一党独裁の共産システムもダメ、自由競争の資本主義社会も貧富の差が拡大してダメ。
21世紀は本物の全く新しい社会システムが模索されているのです。
脱競争、脱努力、共和と慈しみの社会です。これこそ日本が得意とするものではないでしょうか。
*著者 プロフィール
なごやかクリニック院長
名古屋醫新の会代表
岡田 恒良(おかだつねよし)
https://www.facebook.com/tsuneyoshi.okada1
1955年岐阜県生まれ
1980年岩手医科大学卒
約20年消化器系一般外科医として通常に病院勤務。市民病院で外科部長として勤務中、ある先輩外科医との運命的出会いがあり、過剰医療や過剰投薬の現状に気づき、自然医学に目覚める。
1999年千島喜久男博士の勉強会を名古屋で主催、マクロビオティックの久司道夫氏の講演会企画をきっかけに病院を辞職。
御茶ノ水クリニックの森下敬一博士の機関誌《国際自然医学》に「自然医学の病態生理学」を長期連載。中山武氏の主催するがんの患者会「いずみの会」の顧問をしながら安保徹教授の講演会を開催し、親交を深めた。
看護学校にて補完代替医療について講義中。
2006年コロンビアのドクトル井上アトム氏に出会い、運動療法・自然療法の重要性を認識。以来南米に3度訪れる。 「自他一如」の探求は2000年から続く。
*TAO LABより
今から30年ほど前、「文明法則史学」というものを知り、学んでいました。
ざっくりいうと800年ごとに東洋と西洋の文化が地球規模で入れ替わるという法則を指摘したものです。
岡田先生が今回題材にしたことはその国内版とも言えます。
また、さらに800年周期より長いスパンで人類史を俯瞰すると1611年周期(800年にほぼ2倍)とか、さらに2万5776年周期(その半分の1万2888年も踏まえ)という「ガイアの法則」という視点もある。両者は16ビートというイノチノリズムで繋がっている=25776÷16=1611...個人的には結果として時の経過や場所の移動で人類文明がリズムやビートを刻んでいるというのも感覚的には理解できる。
さてさて今回の変化はたぶん万年単位も踏まえた「時(間)+空(間)」のシフトだと思われるので、とても楽しみです〜それは2点間の入れ替わりではなく、「和」へのパラダイムシフトとも呼べる新たなステージへの跳躍かと...そう願っています。
いかが思いますか???皆さま。