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「真我への目覚め」岡潔 解説:横山 賢二
【30】 日本民族の創造力
*講演日 :1967年12月6日 於 大阪市 北陵中学校
もっと、大切なことは、創造力のよく働く人を造るにはどうすれば良いかということでしょう。そういう素材を選んで磨き上げるには、磨き上げ方もさることながら、人をそうするその仕方はどうすればよいかというと、真我的な人を選べば良いのです。日本の経済界が、産業に自信をもつためには、日本民族は創造力、クリエーションの力が、よく働く民族だということに自信をもつことです。
どうして、そう言い切れるかというと、明治以後、間違えて、小我が自分だ、お前だと教えたにもかかわらず、いざ戦争となると、日本民族の一人であることに目覚めて、多くの若人が桜の花の散る如くきれいに散っていった。十分控え目にみても、その1割ぐらいが死をみること帰するが如く死んでいったに違いないと思う。
死をみること帰するが如く死ぬことができるのは、真我に目覚めた人にしてはじめてできることです。これが相当数ある。そんな民族だから、民族全体としてみた時には、よくクリエーションの力が働くというのです。
しかし、これは民族全体としてであって、今度の戦争でも、みんながそんな死に方をしたのではありません。それでも、民族全体として、国全体として見た時、相当なパーセンテージになる。そういう人達が、本当の大発明をやってくれれば、それで十分、国家の経済的繁栄は期し得られるのです。
*解説30
2017.11.09up
岡は「日本民族は創造の力がよく働く」とちょっと我々には意外なことをいう。それは何故かというと、本来「創造」はこの「おれが、おれが」という「小我」にではなく、無私の心である「真我」に働くのであるが、人類の中でも最も真我的な民族が日本民族だからである。
従って、これからの日本民族は自国の繁栄のためだけに創造力を発揮するのではなく、先ずは人類の滅亡を止め、その平和と安定のために真我の創造力を十二分に発揮していかなければならないのである。
そういう意味では、不本意にも今苦境に立たされている安倍総理は、歴代では珍しく内政外交といかにも「創造的」に政権に取り組んできたと私は思う。やはり「日本の心」に自信が持てなければ、どんな分野でも本当の力は発揮できないのである。私としては少し注文をつけたいところもあるのだが、それでもやはりマスコミの印象操作には惑わされず、今は日本人は安倍総理をシッカリと支える時である。