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LAB LETTER
「獄中閑」獄中からの感想頂きました。
四国『日本青少年更生社』WEBで西山理事長が下記、獄中から理事長に届いた手紙をアップしてくれました。特定非営利活動法人『日本青少年更生社』についてはこちらを
西山理事長はこのような記事も昨年書いてくれました〜あらためて、ありがとうございます。
「9月の御報告」2017−08−30
「獄中閑」を出版してから留置場、拘置所、刑務所に囚われている方から直接ご注文を受ける機会があります。それは大変有り難い、嬉しい出来事です。
この機会にあらためてここに書かせていただきますが、この書籍は大阪のヤクザの親分としての川口和秀さんの本を出したかったのではなく。ましてはヤクザという職業を美化したいわけでもなく...ではなく、ひとりの人としてトンデモナイ逆境(=無実の罪で獄中23年近くの収監)にも関わらず、挫けることなく、さらに他人や制度を恨むのでもなく、前向きにその現実の中でひたすら精進をしたひとりの漢(おとこ)としての生き様とその結果としてのキリッとした面構えに。なおかつ、獄中で書かれた文章に感銘を受け、それを記録残したいと思ったからです。
また、彼の体験からつづられた文章により人生の困難に打ちのめされ、絶望や嘆き、怒りや悲しみに囚われてしまった方たちに励ましと勇気と希望を、慰めと許しと愛そのものを少しでも感じてもらえたらと思い、微力ながら書籍というカタチにした次第です。
ここに熊本刑務所に収監されているある方から西山理事長に送られた手紙を許可を頂いたうえで転載いたします。
この方は西山理事長から伺った話によると、熊本刑務所に収監をされている方で、なおかつ、『日本更生社』の熊本支部を獄中で運営されている方です。そのお仲間は六人いらっしゃるとのこと。
現在の司法制度で刑務所に収監されても更生できる方は少なく、また社会に出て来ても行き場もなく、ふたたび罪を犯してしまう方が多数いるのが現実です。そんな折、この支部の存在(=熊本刑務所内にある)は意外でしたが、だからこそ、とても素晴らしいことではないかと思いました。
「罪を、犯罪を犯したんだからしょうがない...」「懲りずに、またしても...」もちろん罪そのものを正当化する気はさらさらありません。自業自得です。
でも、間違いを冒さない人間、失敗をしない人間はなかなかいないのではないかと思います。また、たまたま捕まらないだけで犯罪ともいえる罪を意識・無意識で犯している方も現実には思った以上にいらっしゃるのではないかと。
尊敬するガンジーやキング牧師、さらにマンデラは獄中生活の体験を真実の探求とそれを支える人生の深化に利用しました。マンデラは前記の二人と違い、収監される前は暴力肯定者でもありました。
川口さんの無実の罪での23年余りの獄中体験には彼らと同じような「深い学び」を感じます。
この四人は違いますが、たとえ自らが犯した犯罪で、本当の自由を奪われるという機会を作り出してしまったとしても、だからこそ、その境遇を深化進化のきっかけに活かせたらきっとその人は大いなる成長を遂げると思います。
翻って、当人ではない立場の方の心持ちとして、ここでキリストと姦通の女の話を思い出しました。
「あなたたちの中で罪を犯したことのない者が、まず、この女に石を投げなさい。」
参考までに、この聖書の章の素晴らしいと思う故・手島郁郎氏の解説をアップします。
『愛は多くの罪をおおう 第一回』
「癒やし」を求める方は多いが、「許し」を与える方が少ない現代...
世界の平和と心の平安の実現は自分自身のなかで、そのような問題意識をまずは持つことかなぁ〜と、あらためて、そう思いました。
PS
この方に感謝と皆様の再出発の祈願を込め、ホーリーアウトロー第二弾アーサー・ホーランド牧師の「WALK ACROSS」を献本させて頂きました。獄中熊本支社の方々や他の収監されている方たちと読んでいただけたら。
*この手紙に関係する山平重樹先生の著作も紹介させていただきます。
・川口和秀さんについてのもの。
「闘いいまだ終わらず 現代浪華遊侠伝・川口和秀」
・川口さんと同じく無実の罪で現在収監されている落合勇次さんについてのもの。落合さんは残念ながら現在無期懲役という判決が下り、収監されています。
「サムライ: 六代目山口組直参 落合勇治の半生」
*『日本青少年更生社』の支援はこちらに