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宇宙エコロジー―バックミンスター・フラーの直観と美

《 意識と無意識の両方にまたがる〈直感〉と〈美〉なくして宇宙エコロジーは存在しない 》

▲ リチャード・バックミンスター・フラー ▼
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(Richard Buckminster Fuller, 1895年7月12日 - 1983年7月1日)は、アメリカのマサチューセッツ州出身の思想家、デザイナー、構造家、建築家、発明家、詩人。
フラーはその生涯を通して、人類の生存を持続可能なものとするための方法を探りつづけた。全28冊の著作によって、「宇宙船地球号」、「エフェメラリゼーション」、「シナジェティクス」、「デザインサイエンス」などの言葉を広めた。
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宇宙エコロジー―バックミンスター・フラーの直観と美
バックミンスター フラー + 梶川 泰司:著
中垣デザイン事務所 : 装丁

*「宇宙はテクノロジーである。」
バックミンスター・フラーの1927年の認識(メタフィジクス)は、エコロジーを有限なバイオスフィアにだけ求めるテクノロジーと対立してきた。産業社会が生き残りをかけたテクノロジーは、92種類の再生的な化学元素を発明したわけでも、あらゆる生命を維持するこの惑星を発明したわけでもない。人間がどんな生命にも容認される方法で基本的な環境の変化に適切に意識的に関与できるテクノロジーはつねに発見されてきた。

この書籍は梶川泰司による『美術手帖』誌上での連載を、大幅加筆のうえ単行本化したもの。
バックミンスター・フラーが生前インタヴューや科学者会議で語ってきた記録、フラーの思想を理解するための重要な講演集等、フラーの未邦訳講演、インタビュー、エッセイをもとに、フラー晩年の共同研究者で、唯一の日本人、現在もその思考・感性を追い求めつづける梶川泰司が現在・未来を焦点にとらえた解説を付す。

*主要目次:
1. 平均的な革命― メタフィジクスの目的論
2. 「進化」の誤謬
3. 一を識り十を「見る」
4. 反建築の起源
5. 計画的偶然(プリセッション)
6. もうひとつの現実<自然選択(ダーウィン)>から<宇宙選択(フラー)>へ
7. 流体地理学の誕生― 自己エコロジーのための全方位カメラ(ジオスコープ)
8. 成長と崩壊


*TAO LABより
バックミンスター・フラーを知ったのは中学生の時。それ以来「三角形」というカタチに魅了された。「宇宙」という響きに憧れ、とともに、懐かしさを感じるようになった。それは「地球」とも置き換えられる。

その後、「ぷらすさんかくまる研究所」という小さな自分だけの会社を30歳のときに立ち上げ、現在それは「TAO LAB」という名前に変わっている...が、その乗り物の搭乗員としての旅は28年間続いている...「ぷらすさんかくまる」は「+△○」で、それは「TAO」でもあるのだ。

お伝えしたようにフラーの唯一の日本人共同研究者はこの著作の共著者でもある梶川泰司さんだ。彼の存在も人生もとてもユニークだ。
先日、久しぶりに梶川さんと話をした。春になったら梶川さんの元を訪ね、交歓とともに幾つか訊ねたいこと相談したいこと投げかけてみようかと思っています。
再会、楽しみです。


▲ バックミンスター・フラーとイサム・ノグチ ▼
フラーとイサム.jpg
イサム・ノグチ(1904-88)は、バックミンスター・フラーを生涯にわたって<わが最良の友>とした。

10数年前のNYイサム・ノグチ・ミュージアムでの写真はここにアップしています。
この二人のワークを手伝っていた日系のショージ・サダオさんはお元気なんだろうか?当時、なんどか電話でお話したことが懐かしい。

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