Vol.4 『昭和天皇独白録』 そして 『昭和天皇物語』

私たちは、日常、特に意識することはあまりないかもしれませんが、世界でも比較的穏やかな今の日本に暮らせているのは、数多くの先人たちの知恵のおかげです。

長期にわたり、その中心に祭祀長としての天皇をいただいて、一つの民族として、一つの国家としてまとまってきた日本は、世界で類のない国といえます。

皇室の歴史は古く、今上陛下が１２５代、明らかな資料の現存する記紀の時代からでも千三百年、伝承では二千六百年を超えます。

天皇が継承してこられたのは、祭祀ばかりでなく伝統、文化、工芸などいろいろ、最近では遺伝子も言われています。
そして、もともと天皇は権力をもって統治してきたことはなく、むしろ敬愛の念をもって天皇に権威をゆだねる国民により、共に支えあう形で成り立ってきました。
ここに先祖伝来の知恵があります。

明治維新の後、妙な雲行きで、現人神として担ぎ出され、これまでの伝統にない形を被せられ、巻き込まれていった天皇陛下。
昭和になり、軍部や政治が決めて始めた戦争を、当人たちが終わらせることができなくて、覚悟をもって盾となり終戦を決めた天皇陛下。

もともと優秀なお方であったとしても、誇り高い大人たちによる教育の末に、そのご存在があるということが、推察できます。

戦争前後の昭和天皇独白録で、お心をしのぶこともできますが、最近、読んだマンガは、昭和天皇の幼少期から始まり、これからが楽しみです。第２巻が３月に出ます。　ご一読を。

『昭和天皇独白録』
寺崎英成　マリコ・テラサキ・ミラー　編著　　文春文庫　　５００円＋税

【出版社より】
天皇みずから「昭和」を生き生きと語っていた!
1990年に発掘、発表されて大反響を呼んだ昭和史の超一級資料。
主な内容:大東亜戦争の遠因、張作霖爆死、天皇機関説と天皇現神説、二二六事件、支那事変と三国同盟、ノモンハン事件、御前会議と云ふもの、日米交渉、近衛の辞職と東条の組閣、開戦の決定、ルーズベルトの親電、沖縄決戦の敗因、対ソ交渉、8月14日の御前会議前夜、ほか。

『昭和天皇物語 1 』 　　ビッグコミックス
能條純一著　　永福一成脚本　　半藤一利　原作　　
小学館 刊　　　６００円＋税

【出版社より】
今世紀最大の話題作、ついに単行本化!!
大元帥陛下して軍事を、大天皇陛下として政治を一身に背負い昭和という時代を生き抜いた巨人。
波瀾万丈という言葉では表せないほどの濃密な生涯に半藤一利氏協力のもと、漫画界の巨人・能條純一氏が挑む...「ビッグコミックオリジナル」誌で毎号にわたり衝撃を呼ぶ巨弾連載、待望の第1集は、その少年時代が大胆な解釈と圧倒的な画力で描かれる...！

【TAO LABより】
昭和天皇が124代、今生天皇が125代。明治150年の今年、来年は126代目の天皇とともに新しい年号が始まる時。

このタイミングは黒船来航＝アメリカにより江戸時代から明治維新の扉が開かれ、そしてそのアメリカにとことんやられた大東亜戦争の敗戦＋戦後に続き、大きな時代の節目となるのでは〜

今生天皇もまだご存命のさなか、150年の間で初めて戦争を経験したことのない天皇が誕生する。
アメリカからの真の独立を果たし、あらためてネオ江戸時代が始まること。
そして東洋でもない西洋でもない日本文明＝和が世界の平和に貢献することを願っています。