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ひのもとのふみ読むつきひ by 阿部幸子
Vol.3『日本人に「憲法」は要らない』西村幸祐著
現政権は、改憲を表明したうえで支持を得ているからには、改憲に向けて進んでいると考えられます。
マスコミは、反日であるがゆえに、憲法九条に手を入れると表明したとたんに、安倍政権叩きが目に見えて激化しました。
もともと、モリカケで話題になった籠池氏の詐欺事件と前川元文科省事務次官問題も、それぞれの登場人物を見ていると、何らかの工作であるとしか思われず、いかに安倍政権を崩したがっているかの切実さが透けて見えてきます。
おかげで国会は長いこと紛糾し、本来の働きを阻止され、国民にとって重要な問題も先送りにされています。
そもそも、「憲法」とは、どうあるべきものなのか、何のために、どういう理由で必要なのか、という観点から見直していくと、いろいろなことに気づかされます。
ということで、3冊目は、この本。
『日本人に「憲法」は要らない』
西村幸祐著 KKベストセラーズ ベスト新書 800円+税
万葉集を見てもわかりますが、聖徳太子の時代から「憲法十七条」をもち、いかに民主的であったかが容易に推察されるこの国では、千年たって公布された明治天皇による「五箇条のご誓文」においても、変わりなく民主的であったのでした。
「皇室典範」をきちんと独立させれば、ほかに「憲法」として一体何が必要なのか?と訝しく思います。
ややこしい書き方になればなるほど、シンプルには伝わらなくなります。
国民の大半が、改憲問題のようなことでも起きなければ改めて長い憲法を読むこともない現状。
子供でもわかる大原則を、みんなで確認しあい共有することこそ大事なのではないでしょうか。
公僕たる公務員や、代議士たちがあるべき姿勢は「十七条憲法」あるいは「五箇条のご誓文」にみんな書かれています。
日本に「憲法」が必要なのかどうかも含め、改めて考えてみるよい機会、あらたな視点をくれる本です。
【出版社からの内容紹介】
あなたは「護憲派」? それとも「改憲派」?
「近代憲法」誕生以前から、日本は民主的な国だった。
"憲法の常識"がわかる一冊!
ヨーロッパで最初に「憲法」を立てた国はイギリスだと言われているが、イギリスには一冊にまとまった「憲法」は存在しない。
実は、イギリス以上に歴史のある日本は、国家運営の基盤としての「憲法」を必要としない国なのである。
憲法とは何か? 立憲主義とは何か? そして、日本とは何か?
憲法学者や政治家、マスコミが語らない、"憲法の常識"をわかりやすく解説。
【特別付録】「十七条憲法」「大日本帝国憲法」「日本国憲法」全文&現代語訳付き!
● 「憲法」で分断されている日本社会
● 三島由紀夫を理解できなかった、政治家とジャーナリスト
● 「聖職者」と化した、日本の憲法学者
● 「アメリカ独立戦争」と「フランス革命」から生まれた"近代憲法"
● 「日本国憲法」は"不平等条約"である
● "国防"のために作られた「大日本帝国憲法」
● 「十七条憲法」に見る"日本型民主主義" ...他
【目次より】
序 章 【憲法の基礎知識】憲法学者が教えない、「憲法」の"常識"
第1章 【改憲論の問題点】護憲派も改憲派も避けられない"真実"
第2章 【憲法の定義】改めて考える。「憲法」とは何か
第3章 【日本の近代憲法】「大日本帝国憲法」と「日本国憲法」はどう作られたのか
【TAO Labより】
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『光文書 Vol.584 東大法学部の失墜』
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阿部幸子さん連載『日本のいまを考える』