MAGAZINEマガジン
ひのもとのふみ読むつきひ by 阿部幸子
Vol.1『ナポレオンと東條英機』武田邦彦著
本棚を見ると、その人の、そのときの好奇心の向きがわかります。
私の本棚も、昔はまったく異なるラインナップでした。
小説、料理、仏教、哲学、古神道、インド、ヨーガ、エコ、自然農、スピリチュアル、沖縄、言霊、古典、和歌・・・そして今は、近現代史関係の本がずらりと並んでいます。
学校では殆ど習わない近現代史を自分なりにと調べていくと、明治維新と大東亜戦争の二つのことが、日本を大きく変えてきたということに気づかされます。
知るにつれて、正しく歴史を教えられていない日本人が、間違った事を教えられてきたことで、平然と間違った判断をしてしまっている現実に愕然とします。
私自身がそうでした。
昔からの定番を残し、その時々で大きく入れ替わる私の本棚。
今に彩を与えてくれる一冊を、ご紹介していきたいと思います。
はじめに、この一冊から。
『ナポレオンと東條英機』
理系博士が整理する真・近現代史
武田邦彦著 ベストセラーズ (ベスト新書) 815円+税
この本は、「ホンマでっか!?TV」や「虎ノ門ニュース」でおなじみの科学者で中部大学教授の武田先生が、「論理的で誠実な歴史観を!」という観点で著作に取り組まれた近現代史です。
言葉も歴史も自然科学的に見ていったほうが、ずっと論理整合性があって全体の流れが俯瞰しやすいように思います。
そもそも「文科系」が歴史を、「理科系」は物理を、という分け方自体、非常に奇妙に感じられますが、この本に見る自然科学的手法で整理された歴史は、とてもわかりやすく、従来の歴史書とは異なる歴史認識のしかたを見せてくれています。
情報共有が正しくなされてこそ発揮される「シラスクニ」の本領。
この本を読んで、この数年追いかけていた「シラスクニ」としての日本のあり方と、「ウシハククニ」としての日本以外の国々のあり方の違いが、「母国語だけで高等教育を受けられる日本」を作ってきたことを再発見しました。
ぜひ、ご一読をオススメしたい本です。
【出版社からの内容紹介】
人類を解放したのは、「フランス革命」ではなく、「大東亜戦争」だった! ?
"教科書"には載っていない、ホントの歴史。
社会に歪みエネルギーが蓄積しているとき、それは徐々に解消していくのではなく、一気に爆発的に解消する。
それが「フランス革命」(人は生まれながらに差がある→差がない)、「大東亜戦争」(力のある国が力の弱い国を自由にする→国家は平等)という激しい流れとなった。
人と国家を差別する習慣を打破したものが、「フランス革命(で平等となった人)」と、「大東亜戦争(で平等になった国家)」だったのだ―。
片や"英雄"、片や"A級戦犯"と、両極の評価をされているナポレオンと東條英機。
だが、果たしてそれは正しい歴史の見方なのだろうか......?
工学博士が歴史を一つの事象として、冷静な目で検証する、異色の歴史書。
■ 近現代史は「人種差別撤廃」の歴史である
■ 東京裁判は「裁判」ではなく、「集団リンチ」
■ アメリカ独立戦争が"革命"の引き金に
■ 「対仏大同盟」というナポレオン包囲網
■ 欧米人が感動した、日本社会の平等さ
■ 戦争をするか、植民地になるか
■ 「満洲事変」と「スパイ戦」
■ 「自作自演」が得意なアメリカ
■ 日本人が知っておくべき"東條英機" ...他
【TAO Labより】
こちらもオススメです。
阿部幸子さん連載『日本のいまを考える』
この記事はこちらと連動しています。
『#50 児童書がサヨク化していたことに今更気づき。』