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LAB LETTER
祝! 10000部 「神の詩」
『バガヴァッド・ギーター 神の詩』
田中燗玉:訳
・訳者の魂の美しさがギータと共鳴している
一番すてきなギータです。ギータの日本語や英語を読みましたが一番美しくそしてギータの精神を外国語にしたのが本です。他のものは独自の解釈や自分のヨガTTCの教科書に書いたんですね、、とげんなりするものがありますが、この本は訳者の精神の高さ魂の美しさが他の訳者と違います。ギータを資料以上のものとして唯一読み込んだ本です。
・まさしく神の詩
『わたしも 君も ここにいる全ての人々も
かつて存在しなかったことはなく
将来 存在しなくなることもない
始めなく終わりなく永遠に存在しているのだ』
(田中燗玉訳、当社刊)
本書より、クリシュナがアルジュナに教えを説き始める場面です。美しく詩的な訳文で意識にすっと入ってきます。
バガヴァッド・ギーターの邦訳は他にも出ていますが、学問的な正確さにこだわるあまり読みやすさが損なわれている感があります。
たとえば上の一節を比べてみましょう。
『私は決して存在しなかったことはない。
あなたも、ここにいる王たちも......。
また我々はすべて、これから先、存在しなく
なることもない。』
(上村勝彦訳、岩波文庫)
『われ、かつて、いずれのときも、あらざりし
ことなし。そなたも、またこの王侯たちも。
またわれらすべて、向後存せざらんこと、
ゆめなかるべし。』
(鎧淳訳、中公文庫)
ここで「王たち」「王侯たち」とある部分が本書では「全ての人々」となっており、
状況を踏まえて意訳されていることが分かります。さらに言葉を変えてくり返すことで意味が伝わりやすくなっています。
このように本書の訳は語学的に正確な訳ではないかも知れませんが、クリシュナ神の言葉を美しく平易に伝えるという点では最も優れた訳だと思います。
・ギーターファン、仏教ファンにおすすめ
今まで幾つかの同書を読もうとしましたが、最後まで読み切った本は、これが最初となりました。
以上、AMAZONからの書評の一部です。
お陰様で発刊以来もうすぐ10周年ですが、10000部販売という大台に乗りました。内容がもちろん素晴らしいからこそ、書籍化したのですが、ニッチともいえる書籍がこんなに支持されるとは...感慨深く、また、とてもありがたいと思っています。
読者の皆様、真にありがとうございます。
引き続き、TAO LAB BOOKSのご支援よろしくお願いいたします。
* 天国の燗玉さんへ *
皆、貴女の労作を感謝していますよ。
燗玉さんに託された他の作品も先々この書籍踏まえ「田中燗玉シリーズ」としてカタチに出来れば。7巻の予定でした〜実は10年前にその7巻の表紙はすべて出来ています。諸事情でカタチになっておりませんが、出版社として力をつけ、必ず実現させます。もう少々お時間ください、燗玉さん!