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本日の一冊
日本語の科学が世界を変える
世界をリードする日本の科学・技術。その卓抜した成果の背景には、「日本語による科学的思考」がある!江戸から明治期、西欧から入る外国語の知を翻訳して取り込み、母国語の知識体系に位置づけなおしてきた歴史に遡り、また多くの科学者たちの証言を手がかりにして、この命題に迫る。そして、本来質の高い日本の科学が直面している問題に対峙、さらなる発展への道を提起する。ユニークな視点から解く、新しい「科学論」。〜書籍内容紹介より〜
『日本語の科学が世界を変える』
松尾義之:著
*「はじめに」より
過去1500年以上にわたり、私たち日本人は、最初は中国文化に始まり、蘭学、そして近代西欧文明と、それまで自分たちが持っていなかった新しい知識や概念や文化を積極的に取り入れてきた。言葉が違うのだから、そこには必ず翻訳という行為が存在した。その際、単なる言葉の移し替えでは済まないことも多々あったであろう。そこで、新しい言葉を創造して、概念知識や思想哲学まで、きちんと吸収したのだ。だからこそ、例えば今日の科学において、自由に新しい成果を生み出す言語環境が整ったのだ。......
だからいま、こう考えている。日本語で科学ができるという当たり前でない現実に深く感謝すること、この歴史的事実に正面から向き合ってきちんと評価し大切に伝統を保持していくこと、それが日本語で科学することの意義であり、責務である。それは日本の科学や技術を発展させる原動力となり、世界中の人々が望んでいることにつながっていくはずだ、と。
*TAO LABより
モノゴトを考えるときには、コトバが関係する。日本人は日本語で考え、アメリカ人は米語で、中国人は北京語で考えるのが基本であろう。となると、コトバ=言語の性質が考え方にも関係すると思われる。日本語になかった外来語の翻訳能力も素晴らしい!
「和」という文化は東洋西洋どちらも包括しながら、さらにどちらでもないという世界のなかで日本のみ発酵した文化だ。その文化を生み出した日本語と日本人=日本という国。あらためて興味深いですね。また、激動の21世紀の人類社会、真の平和は日本語脳から?なんてマジで思ったりしてます。